夕凪の街 桜の国

細君が買ってたので、読んでみたらとても良かった。これは懐かしい感じがするけれど、紛れも無く21世紀からの視点で描かれた「ヒロシマ」でした。

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

ヒロシマ」というのは、現代の作家にとって難しい題材だと思うのだけれど、この作品は漫画にしか出来ない雰囲気を伝えることに成功していると思います。読後感はやりきれない・・・てな感じではなくて、むしろ透明な、さわやかささえ感じるものでした。
「夕凪の街」と「桜の国」が2話という3部構成になっているのがいいですね。「夕凪の街」だけを読んでいたら、印象が随分とちがっていたはず。(私は多分読み流していたと思うのです)書き下ろしの桜の国(二)で細かい構成をしていて作者の力量とオリジナリティを感じました。


購入後に気がついたのですが、普段よく拝見しているブログでも取り上げられていますね。

漫画を読んで、こんなに胸騒ぎがするのは何年ぶりだろう。初期の高野文子以来?

 昭和30年代の広島を舞台に、決して声高にではなく、ましてイデオロギー的でもなく、原爆が人々に落とした影を淡々と描いていく、素晴らしいマンガだ。

松浦晋也さんのブログでは、コメント欄で浅利義遠さん(まんがサイエンスあさりよしとおさんでしょうか?)も絶賛されています。


著者のこうの史代さんの、ほかの漫画も読んでみたくなってます。

ぴっぴら帳(ノート) (1) (ACTION COMICS)

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ぴっぴら帳 (完結編) (Action comics)

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