クロサワさーん!―黒沢明との素晴らしき日々

土屋嘉男著。映画「七人の侍」の利吉(侍を雇いに行く百姓の藤原釜足じゃない若い方)役などで有名ですね。
ヴァイオリニストを目指していたところ、戦時下とあって医学生となり、太宰治に勧められて俳優になり、偶然受けた「七人の侍」のオーディションで黒澤明に見出された・・・というデビューするまでのプロフィールからして波乱万丈な方です。

クロサワさーん!―黒沢明との素晴らしき日々

クロサワさーん!―黒沢明との素晴らしき日々

土屋嘉男公式プロフィール
http://www.domos.jp/plofile/tsuchiya.html
この本は巨匠・黒澤明ではなく普段着の人間・黒澤明について、土屋さんの視点から書かれています。飄々とした文体味わい深いエッセイです。


私が面白かったのは、黒澤明が電話嫌いで電報をよく使った(1950〜60年代くらいか?)という話。監督と土屋氏が交わした電報の内容がこれ・・・。

「アマイモノ、スキデスカ、ツチヤ」
返事が来た。
「アマイモノ、キライ、クロサワ」

女の子のメールみたいです。楽しい。