クロサワさーん!―黒沢明との素晴らしき日々
土屋嘉男著。映画「七人の侍」の利吉(侍を雇いに行く百姓の藤原釜足じゃない若い方)役などで有名ですね。
ヴァイオリニストを目指していたところ、戦時下とあって医学生となり、太宰治に勧められて俳優になり、偶然受けた「七人の侍」のオーディションで黒澤明に見出された・・・というデビューするまでのプロフィールからして波乱万丈な方です。
- 作者: 土屋嘉男
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/09/05
- メディア: 単行本
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http://www.domos.jp/plofile/tsuchiya.html
この本は巨匠・黒澤明ではなく普段着の人間・黒澤明について、土屋さんの視点から書かれています。飄々とした文体味わい深いエッセイです。
私が面白かったのは、黒澤明が電話嫌いで電報をよく使った(1950〜60年代くらいか?)という話。監督と土屋氏が交わした電報の内容がこれ・・・。
「アマイモノ、スキデスカ、ツチヤ」
返事が来た。
「アマイモノ、キライ、クロサワ」
女の子のメールみたいです。楽しい。