宇宙戦争の感想を読む

先日見た宇宙戦争id:SIM:20050703)ネットでの批評・感想を見てみると意外に細かいところを突っ込んだり、途中からだるかったとか書いてあるのが多くてちょっとビックリ。結構、賛否が分かれる映画だったんだなあコレ。腑に落ちる感想を書いている人がいないかみてゆくと・・・巡回しているサイトに結局行き着いてしまいました。

「これは絵空事じゃないんだよ」と言わんばかりに被災描写に9.11のイメージを反映させる凶悪な演出。とってつけたようなハッピーエンドが何の救いにもなってない〈ダーク〉スピルバーグ全開の傑作。

m@stervisionさんは星五つ★★★★★つけておられます。スピルバーグにはロリっ気が皆無というのは、あまり聞いたことが無かったのだけれどもうなずける指摘ですね。

 冒頭近く、父親と息子とのぎこちないキャッチボール。しかし、ここで重要なのはそのキャッチボールが描き出す主人公と息子とのドラマにあるのではない。我々が驚くべきは、そのキャッチボールが、たかがキャッチボールであるはずの風景が、スピルバーグの手にかかると物凄い暴力の予感に満ちたやり取りと化す、その異常な演出力だ。

スピルバーグの暴力についての考察がとても面白いです。無邪気な視点で容赦ない暴力を描く・・・というのを読んで、何となく子供の頃によく聴かされた戦時中の話を思い出しました。


私の父は大陸の生まれで終戦のとき5歳でした。なので大陸での戦時を語るときに子供の無邪気な視点で語ることが多かったんです。手榴弾で魚を取ったとか、防空壕から出てきたら隣の家がなくなって大きな穴に変わっていたとか、引き揚げるとき線路が寸断しているのでうしろの線路を前に繋ぐのを繰り返して進んだとか・・・全部子供視点で妙に嬉々として「凄かったあ」といっていたのが記憶に残っています。まあ本土に引き揚げて来てからの話は悲惨極まりないトーンで話していましたけど。あ、宇宙戦争じゃないですね、ちょっと脱線しました。

 こんなに楽しい映画なのに、mixi住人は知ったような顔して「オチがひどい」「トムばっか出てる」「矛盾ばっか」ってくさすんだよママン! 公開当時独り「A.I.」を擁護した中原昌也の気持ちがちょっとわかった。

私も「A.I.」結構好きだったりします。何であんなに評判が悪かったのかなあ。