申相玉氏死去

北朝鮮の怪獣映画「プルガサリ」の監督が、こんな波乱万丈の人生を送った方だとは知りませんでした。

申相玉監督は1952年に映画『悪夜』で監督デビューし、1953年に女優の崔銀姫と結婚。1978年に香港で北朝鮮に拉致され、1986年に北朝鮮を脱出した。1994年にカンヌ映画祭審査委員を務めるなど生涯を映画界に捧げた。

拉致、脱出、亡命を余儀なくされながらも映画を作り続けていたのも凄いですね。そもそも拉致自体、映画マニアの金正日による超強引なプロデュースだったらしいのですが。

「どうして拉致されたと思うか」という質問にチェ氏は、「北で映画を作る必要があったため、私達を拉致したようだ」とし、「夫が4度も脱出を試みたのに殺されなかったのは、映画を作らなければならなかったからだろう」と答えた。

その結果できた映画のひとつが「プルガサリ」。

圧制に苦しめられている民衆が怪獣の力に助けられ蜂起するという話、と書くといかにも北朝鮮テイストだと思われるかもしれませんが、実際見ると勧善懲悪の娯楽作で結構面白かった記憶があります。まあ日本映画でいうと「大魔神」みたいなお話ですね。最後切ない感じで終るところがよかったなあ。