マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男

マイケル・ルイス著、中山宥訳。KANSENKI.NETというプロレス・格闘技のサイトで「岡田タイガース、セリーグを制す ・如何にして岡田監督は野球業界のケイフェイを破りタイガースを優勝に導いたか」という記事を読んで以来、この本に興味を持っていたのですが、やっと読むことが出来ました。噂に違わぬ面白い本でした。

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男


私が読んだのは2004年の単行本ですが、最近文庫化されたようです。
マネー・ボール (RHブックス・プラス)

マネー・ボール (RHブックス・プラス)

メジャーリーグの球団アスレチックスの年俸トータルはヤンキースの3分の1でしかないのに、成績はほぼ同等。この不思議な現象はゼネラルマネージャーのビリー・ビーンの革命的な考え方のせいだ。その魅力的な考え方はなんにでも応用できる。
マイケル・ルイスはこの本で、その考え方を、切れ味のいい文体で、伝記を書くように書いた。ここには選手たちがたどる数々の人生の感動と、人が生きていくための勇気が溢れている。

この本の主人公アスレチックスのGMビリー・ビーンが取り入れた理論は、セイバーマトリクスと呼ばれるもので、野球のデータを統計学的、客観的に分析して、思い込みを取り去って選手の評価や戦略を考える分析手法とのこと。(言葉にすると、スポ根漫画でよく出てくる敵、全て計算づくの「コンピュータ学園」みたいだなあ)それによって


・盗塁・送りバントはナンセンス
・打率より出塁率が大事
・投手の価値と被安打は関係がない


などなど、常識を覆す結論が導き出されています。原著は2002年のシーズンについて書かれた本で2003年出版なので、当時は革命的でアスレチックスだけが採用していた考え方でしたが、現在では日本のプロ野球でも取り入れられているようです。

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ディープな野球ファン中には、今回の日本シリーズの監督対決を「セイバーメトリクス VS にわかセイバーメトリクス」対決として観ていた人も多かったはず。もちろん前者はマリーンズで、後者はタイガースだ。

<中略>

シリーズの結果はやはり、統計分析家つまりセイバーメトリクスの専門スタッフをアメリカから呼びよせ、自チーム相手チームに対して徹底した客観分析を行なったマリーンズが勝ち、「オレは何もせえへんでええねん」と上面だけのセイバーメトリクスを決めこんだタイガースが負けた。そして野村克也は「自分の経験則の中には存在しない」その背景については全く理解できずに、ひたすら解説でなくイヤみを垂れ流した。