それでもボクはやってない

周防正行監督。テレビ録画で観ました。不条理な司法制度の現実を淡々と描く恐ろしい映画。普段から電車で通勤している私にとって、他人事で済まない話なわけで・・・。現にこの映画と全くおんなじ痴漢の私人による現行犯逮捕と思しき光景を目撃したことがあるのです。その時は捕まえた女性がかっこよく思えたのですが、この映画を観たあとでは、思い出しても複雑な気分です。あの時捕まえられていた男は、あの後どうなったのだろうか。

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

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名作「Shall we ダンス?」以来、11年ぶりに周防正行監督が選んだテーマは「裁判」。通勤電車で痴漢に間違えられた青年の裁判を描く。あなたの知らない”ニッポンの裁判”・・・その、おそるべき現実が明らかに!

「現実を淡々と描いている」とは書きましたが、ドキュメンタリーではなくエンターテイメントになっているところがこの映画の面白いところでもあります。ほとんど法廷ばかりの舞台設定の中、スキない演出、演技、脚本で、観客の興味を長時間持続させているところなんか、作り手の凄みを感じます。