明治・大正・昭和 軍隊マニュアル

一ノ瀬俊也著。軍隊マニュアルといっても、軍事技術の教本ではありません。自分や家族が軍隊へ行くのが日常であった時代の挨拶や手紙のテンプレートと心得などを書いた本。特に日本軍の公式な教本というわけではなく、普通の実用書として多く出版されていたらしいです。現在でいうと、社会人のマナーと心得とか冠婚葬祭マニュアルみたいな感じでしょうか。

明治・大正・昭和 軍隊マニュアル (光文社新書)

明治・大正・昭和 軍隊マニュアル (光文社新書)

明治期から太平洋戦争期にかけて、軍隊にまつわる「決まり文句」の数々を収録した軍隊「マニュアル」とも呼ぶべき本が多数出版された。これらは、出征する兵士が住んでいる村の幹部たちが行った激励の演説、それに応えて彼ら入営者が行う挨拶などを収録したもので、当時の書店でふつうに売られていた。この軍隊「マニュアル」を読むと、軍隊という巨大な存在に対する当時の人々の迷いや不安、反抗心といった心のひだが透けて見える。本書は、徴兵・戦争という巨大な経験に、近代の人々がどう向かい合ってきたのかを、建前と本音の両面から、ひとつの通史として描く試みである。

[硫黄島からの手紙」などフィクション・ノンフィクションにかかわらず、戦争を扱った作品では感動的に取り上げられることの多い「戦地から家族への手紙」。それに戦前からテンプレートが存在していて書店で売られていたとは・・・少し驚きました。

硫黄島からの手紙 [DVD]

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