宇宙戦争の感想をさらに読む

宇宙戦争のネットでの批評・感想が面白いです。読んでいてとても楽しい。思えば映画の感想って、掲示板とかチャットなんかよりブログ向きですね。ある程度まとまったテキストを読める、盛り上がっているタイミングで読める、余計なチャチャがBBSほど入ってこないなどなど。

この映画は評判が悪いらしい、なぜだろうか。こんなにすごい映画のどこが面白くないんだろうか。邪推だが、たぶん、みんな自分が何の役にも立たないってことを言い当てられて、怖かったんじゃないだろうか。この映画はコントロールできない、確かなことは何もわからない。答えは何も教えてくれない。

前段の「役に立つ感想」についてのエントリも必読。引用部分はなんとなく自分の事を言い当てられてような気がしてドキッとしました。この映画を見て「壊れゆく世界」と感じるか「設定が壊れてる」と感じるかで、180度印象が変わるのかもしれないなあ。フィクションの基盤をどこに置くかというのは趣味嗜好というより経験の問題かなあ。

物語や解釈に頼っていては、あの「911映像」を強化しこそすれ、けっして乗り越えることなど出来ない。パニック映画に課された使命は、そんな文芸作品の甘っちょろい感傷ではなく、それ以上の恐怖と陰惨さを描くことで「911」をすら忘却させることに他ならない。

同時多発テロに関連付けて、この映画を論じているのは良く見かけますが、一歩踏み込んだ内容で面白いです。読んでて、この映画の「怖くて悲しくてやるせな」い感じが蘇ってきした。

で、何が怪獣を目覚めさせたかといえば、それは911テロなんじゃないかなあ、と。『ゴジラ』にとっての太平洋戦争が、『宇宙戦争』のテロ、というのはそんなに的を外した考えでもないと思う。国土を蹂躙されたというトラウマが、どちらの映画でも通奏低音として流れているように思えるのである。。

他に、「100万年の眠りから覚めた」といえば怪獣ものの常套句…という指摘もあって、なるほど!と思いました。100万年=すげえ昔ってことで、昔の映画では古生物はみんな100万年前に生きていた、とか解説される事が多かったですよね。ホントは進化の歴史に照らすと目茶苦茶最近のことになっちゃうんですけどもね。
私が子供のころの100万円=大金と認識していたのと同じですね。あ、まあ最近の子供ならもっと高額をイメージするのでしょうけども(1億万円とかか?)

■ [映画]宇宙戦争妄想ラストをネタバレます

戦慄の解釈。いや、でもこんなことを考えてしまうようなフィーリングがこの映画にはあるんだよなあ。

意思をもった強大な力によって、人が蹂躙されることの本当の怖さみたいなもんがパーフェクトに描かれてる。英雄を描くことによってたくさんの人間が死んでることをさわやかにチャラにしてしまってる『ID4』のハリウッド的バカさ加減とは決定的に違う

本題と関係ないですがトライポッドは『HALF-LIFE2』に出てくるキャラに似ているらしいです。あ、やったこと無いので知らないのですが…。オッサンなので連想したのはイデオンに出てきた重機動メカかな。