風の谷のナウシカ

宮崎駿著。映画は本当に何度も何度も見たのですが、漫画版を読んだのは初めてです。まず重いんです、いや物理的に・・・本がすごく大きくて百科事典1〜2巻分はあります。寝転がって読もうとすると腕がつります。もちろん、中身も重くて濃くてとても面白いです。

風の谷のナウシカ 豪華装幀本(上巻)

風の谷のナウシカ 豪華装幀本(上巻)

風の谷のナウシカ 豪華装幀本(下巻)

風の谷のナウシカ 豪華装幀本(下巻)

アニメージュでの連載は中断期間を含め1982年から1994年までの13年間とのことで、著者が41歳のときに書き始めて54歳で完成したことになります。その間にアニメ映画を風の谷のナウシカ1984年)天空の城ラピュタ(1986年)となりのトトロ(1988年)魔女の宅急便(1989年)紅の豚(1992年)と作ってるんですね。うーん忙しいなあ、という次元じゃないですね、脅威の仕事量です。毎日をのほほんと暮らしている私と比較すると(比較するな)まあ100倍は濃密に仕事をしておられますね。

多忙を極めた宮崎駿が連載を持つために、鉛筆で書かれたまま作品化されている回もある。


あと、コマ割りが最初と最後では随分違いますね。はじめは漫画的な手法を試行錯誤しているようで、小さいコマやら細いコマやら使っているのですが、最後のほうはかなりシンプルに藤子・F・不二雄みたいなコマ割りになっていて、その分コマの中のアクションが冴えている感じです。最初は絵コンテ的なものから離れようとして漫画的な表現を意識したけれど、次第に自分のスタイルでの漫画に自信を深めていったというところでしょうか。