漂流記の魅力

吉村昭著。米国への旅程で漂流とは、なんとなく縁起が悪い気もしたのですが飛行機の中で読みました。題から漂流記一般についての話かと思ったのですが、1793年にロシア領に漂着した若宮丸について話がほとんどを占めています。漂着後十年、世界を一周して日本へ帰ってきた船乗りたちの残した、ドラマチックで人間臭い記録が面白かったです。

漂流記の魅力 (新潮新書)

漂流記の魅力 (新潮新書)

日本には海洋文学が存在しないと言われるが、それは違っている。例えば―寛政五(一七九三)年、遭難しロシア領に漂着した若宮丸の場合。辛苦の十年の後、津太夫ら四人の水主はロシア船に乗って、日本人初の世界一周の果て故国に帰還。その四人から聴取した記録が『環海異聞』である。こうした漂流記こそが日本独自の海洋文学であり魅力的なドラマの宝庫なのだ。

若宮丸とその乗組員については下記のページが詳しいです。


石巻若宮丸漂流民の会
http://homepage2.nifty.com/deracine/wakamiya/index.htm


以前からチェックしてたこの本、書店で見かけてラッキーと購入したのですが、既に細君が購入して家にある本でした。つまりダブリ・・・確かめとけばよかったなあ。