ゴジラ FINAL WARS

ゴジラの話題はまだ書くつもりは無かったんですが、こんな話題をふられては反応せざるを得ないです。スポニチの写真がいいです。
ドン・フライゴジラと対戦(毎日)
http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/cinema/news/20040616spn00m200013000c.html
ドン・フライvsゴジラが実現!(スポニチ
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/kiji/2004/06/16/01.html
公式 http://www.godzilla.co.jp/
あのプロレスラーで格闘家のドン・フライゴジラ映画に出演!しかも海底軍艦轟天号の艦長役でゴジラと戦うなんて。ゴジラVSキングギドラチャック・ウィルソンゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃角田信朗をこえるシリーズ最強の出演者が誕生するのでしょうか?
初代の轟天号は映画「海底軍艦」で登場しました。1963年の作品です。艦長は神宮寺大佐で名バイプレイヤー田崎潤が演じていました。太平洋戦争後も孤島で超兵器を開発、来るべき世界戦争において大日本帝国を勝利に導かんとする戦争狂と言う設定です。
1960年代は占領時の検閲の名残も消え、折りしも戦記マンガがブームが到来、「紫電改のタカ」「0戦はやと」「サブマリン707」なんかが連載されていた時代です。戦後復興が進みかつてのプライドを取り戻したいという気分と、まだ生々しい悲惨な戦争の記憶とが同居していたといいます。(マンガと「戦争」夏目房之介著による)そのため戦記マンガの主人公たちは戦術に長け、高度な技術力戦闘力は持つものの戦争には否定的であるというネジレタ構造を持っているのです。この感覚は自衛隊非戦闘地域に派兵(!)するという現実のネジレとして現代まで続いているのだと思います。

この映画が特異なのはこの構造をさらにねじって、美化された帝国海軍が、日本ではなく世界のために戦うと改心し、超兵器という技術力によって、国連軍(米軍、連合軍の比喩)ですら倒せない、世界共通の敵(ムー帝国)と戦い、ムー帝国を皆殺し(に見えるんですけど)にしてしまうところです。なんか、戦争と平和についてのアイコンとして登場したキャラクターが最終的に無効化されてしまうような物語になってしまっています。そして最後には轟天号のメカニカルな快楽だけが印象として残るのです。

特撮あり、アクションあり、ミュージカルあり、とあらゆるモノがいろんな意味で超クール(!)な映画です。キル・ビルなんかを楽しめる方で未見の方はぜひドウゾ。オススメです。

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しかしグローバル化した21世紀バージョンの轟天は一体どんな設定になっているのでしょうか?北村龍平ゴジラは楽しみなようなこわいような・・・。