NHKアーカイブス1 夢と若者たちの群像
- 作者: NHKアーカイブス番組プロジェクト
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
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あらすじ〜
トキワ荘が取り壊されることなり、かつてのここに住んだ漫画家達が、30年ぶりに集まり「同荘会」が行われる。手塚治虫、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄A、藤子・F・不二雄、水野英子、鈴木伸一、森安なおや、よこたとくお、つのだじろう、長谷邦夫、横山孝雄、丸山昭が集合。錚々たる面々である。しかし、森安なおやは漫画家をやめてから妻子に逃げられ一人暮らし、今は建設現場で働く日々を送っていた。そして、寺田ヒロオが何故か現れない。若い漫画家達のリーダー的な存在であった彼は、漫画に絶望して筆を折り、殆ど誰とも会わない生活を送っていたのだった。
「運命」と言ってしまえばそれまでですが、同じ時間や場所を共有していても、人生は人それぞれ、ひとりにひとつ別々のレールがひかれているのだなあ、と思い起こさせる話です。
漫画家としての勝ち組、負け組を分けたものはなんだったのか?というのも、気にはなりますが、故人が多くなった現在では、むしろ諸行無常の響きありといった印象で、人間の値打ちは何処で計られるのだろう、あるいは計ることができないのか、または計ろうと計るまいとどっちにしろ関係ないのか、なんて、とりとめも無く思いをめぐらせてしまいます。
寺田ヒロオ、森安なおやは「まんが道」などの「トキワ荘物語」でキャラクターとしては、よく知られているものの、作品や消息に触れることが少ない人物です。
トキワ荘と寺田ヒロオについては
http://www.lcv.ne.jp/~shipi/index.htm
このページが、くわしいです。(なんと、トキワ荘の部屋割り考察まであります。)
また森安なおやについては長谷邦夫さんの日記(ご本人です「漫画に愛を叫んだ男たち」ASIN:4860290755です。→id:SIM:20040720)で、間接的ですがこの番組の一件について触れておられます。id:nagatani:20040823
すでに両名とも鬼籍に入られており、著作の入手も古書以外では難しいようですね。あと、この番組、「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦(当時、荒木利之)がチラッと出てきます。(手塚治虫が荒木飛呂彦を絶賛するっ!)