「明星」50年601枚の表紙

1952年10月号(創刊号)から2002年10月号までの「明星」の表紙を収録した本。橋本治が各年代の解説を書いています。

「明星」50年601枚の表紙 カラー版 (集英社新書)

「明星」50年601枚の表紙 カラー版 (集英社新書)

1950年代 映画女優の時代
津島恵子岸恵子若尾文子など・・・。
若尾文子のセーラー服姿(もちろんコスプレではない!)がいいなあ。妖艶な人妻というイメージがあるけれど、デビュー当時はこんなカワイイ感じだったのかとビックリ。


1960年代 吉永小百合の時代
吉永小百合浅丘ルリ子など・・・。
このころから男女のペアが表紙になってきて、橋幸夫舟木一夫西郷輝彦の御三家や加山雄三、そしてザ・タイガース(主に沢田研二)、テンプターズ(主に萩原健一)などのGS勢が出てきます。松原千恵子と由美かおるが、今とあまり変わらない・・・ちょっといろんな意味でスゴイ。


1970年代 黄金時代
山口百恵桜田淳子天地真理浅田美代子西城秀樹郷ひろみ野口五郎など・・・。
1965年生まれの自分にとっては最もなじみのあるスターたちです。1978年5月号は榊原郁恵と原田真二C-3PO(!)という取り合わせがスゴイ。


1980年代 アイドルの時代
松田聖子中森明菜たのきんトリオなど・・・。
スターからアイドルの時代へ。1986年10月号が、聖飢魔Ⅱスケバン刑事こと南野陽子、元祖オタク系タレント(?)の西村知美というなかなかの面子。1989年8月号は、初々しい子供の頃のSMAP浅香唯


1990年代 ジャニーズの時代
少年隊、光GENJISMAPTOKIOKinKi Kidsなど・・・。
だんだん女性の表紙への登場が少なくなり、男性だけの表紙になっていきます。そのほとんどがジャニーズ事務所所属。これは2000年代に入っても続いています。ジャニーズ・タレントのファン層というマーケットに特化したつくりになってゆくわけです。
1993年10月号が諸星和己と10月なのにアロハを着たアーノルド・シュワルツェネッガーというのが面白いです。海外のタレントが表紙になっているのは、この号だけなのも興味深いです。


私は「明星」を買ったことは一度もないのですが、この本はビジュアルで見る戦後文化史としてとても興味深かったです。