妖怪大戦争
三池崇史監督作品。安っぽい企画モノを想像して行ったのですが、予想以上に楽しめる快作でした。ファンタジックなファミリームービーでありながら、三池監督らしい色気と毒気がウマくスパイスとして効いています。ストーリー・脚本もよく練られていて、プロデュースチーム「怪」(水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆき)を冠にしているだけに「妖怪考証」もばっちり。妖怪に対するリスペクトが感じられました。あと角川グループ創立60周年記念作品ということで先日もちょっと話題に出た(id:SIM:20050806)角川歴彦が製作総指揮という肩書きです。
レイトショーなが客席の半分は埋まっているという盛況ぶり。子供づれとカップルが多かったですね。
.: 妖怪大戦争 :.
http://yokai-movie.com/index.html
魔人・加藤保憲を倒せ!人類存亡をかけた世紀の戦いに、少年と120万の日本妖怪が立ち上がった!
この映画の見所は色々あるのですがやはり役者中心に語るべきでしょうね。
まず妖怪役の方たちが凄いです。かなりのキャラクターが劇中ずっと特殊メークとヌイグルミでほとんど素顔が出てきません(笑)最後まで誰だかかわからない人(妖怪)も結構多いですね、小豆洗い(岡村隆史)一本タダラ(田口浩正)砂かけばばあ(根岸季衣)とか。
なかでもやはり出色なのは河童の川太郎役の阿部サダヲですね。まあ最近どの映画を観ても出ている感じがする彼ですが、妖怪になっても素晴らしいキャラクターを作ってます。まあ言われないと阿部サダヲだとはわからないんですけど、輝いてます。
反対にほとんど素顔なのに妖怪役というパターンもあって、猩猩(近藤正臣)大首(石橋蓮司)油すまし(竹中直人)ぬらりひょん(忌野清志郎)とかですね。人間の存在感がもう妖怪級という方々ですね。ハイ。
ホントにちょっとしかでてこない妖怪もいるので機会があれば本で確認してみたいです。
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女優陣にも魅せられましたね。三池監督かなりエロティックにカッコよく撮ってます。特に善悪双方のヒロイン、鳥刺し妖女アギ(栗山千明)と川姫(高橋真唯)が素晴らしいですね。子供のときに見たらドキドキしっぱなしだったろうなあ。
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嶋田久作が演じないと言うことで一番心配していた豊川悦司版・加藤保憲は結論から言えば大正解。ストーリー上、美しき悪のヒロイン栗山千明に惚れられる役なので、観終わった後だと嶋田久作でなくて豊悦であると言うのが納得できます。ひたすら渋くカッコよく決めている豊悦版・加藤ですが最後の最後でやらかしてくれるので、これから観る方は乞うご期待。
忘れちゃいけない主演の神木隆之介くんも良かったですね。うまい子役としての魅力は勿論あるわけですが、意外だったのは彼に対しても三池監督が色気(と言う言葉が適切かどうかわからないですが)を感じさせる演出をしていること。全体通してみると少年、女性、中年男性と色んなタイプのエロスを実にたくみにファミリームービーに入れているわけですね。
あと水木しげる、荒俣宏、京極夏彦(匣を持ってます!)が妖怪役で出演しているのは想定の範囲内なわけですが、宮部みゆきの役どころは普通の学校の先生。これが以外にもハマっていて芸達者なのにビックリしました。