金魚屋古書店1〜2
芳崎せいむ著。漫画を扱う古書店が舞台のお話で実在の漫画が劇中に出てきます。漫画本や古書業界についての薀蓄に加えて「ちょっといい話」が展開される青年漫画によくあるタイプの作品という印象。
- 作者: 芳崎せいむ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/12/24
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- 作者: 芳崎せいむ
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しかし、どうにもマンガについての「語り」の場所には、『金魚屋』を批判しては「いけない」ような空気があると思うのです。「マンガを愛している限り、みんな仲間なんだから許される」という微温的な、そして極めて抑圧的な雰囲気です。「みんなが仲間でいられることの平穏を少しでも脅かすな」という、同調圧力的な、日本的なファシズムを支えたそれです。
読んでみると伊藤氏のイライラの理由が少しわかる気がしました。私は作品そのものは「業界モノ」として普通のデキだと思いますが、氏はこの作品の受け取られ方に気味悪さを感じているのでしょうね。これは自分が深くコミットしている業界なりコミュニティなりに置き換えてみると何となく理解できます。
理解はできるのですが、私自身に置き換えてみると・・・同調圧力に流され、抑圧を自覚することすら避けているのかもしれません。むしろ抑圧的な雰囲気を創り出している側かもしれないなあ。