宗教改革の真実

永田諒一著。宗教改革という歴史場の出来事を「物語」ではなく社会全体の(特に民衆の生活レベルでの)の変化として捉えて描いた本。興味深く読みました。

宗教改革の真実 (講談社現代新書)

宗教改革の真実 (講談社現代新書)

中世の人々は、カトリックへの反逆をなぜ受け入れたのか?ルター伝説の真相から聖画像破壊まで、大転換期の諸相を描ききる。

中世の都市が、宗教的な共同体であったという事実には、はっとさせられました。宗教改革が進行して、プロテスタントカトリックが対立してゆくわけですが、どちらの宗教にするか?の選択は原則として「都市単位」で行われていたのだそうです。宗教は「個人の内面のもの」という思い込みがあったのですが、よくよく考えてみれば、そんな感覚はごく最近の常識でしかないですよね。