スキャナー・ダークリー

リチャード・リンクレイター監督。フィリップ・K・ディックの自伝的SF小説「暗闇のスキャナー」の映画化。実写映像を元にデジタル・ペインティングを起こした“ロトスコープ”というアニメ(っぽい映像か?)を、全編で使用しています。独特の味わいのある映像で、スクランブルスーツの描写など実験映像を見ているようで、楽しめました。

いわゆる「ディックっぽい」現実と妄想世界を行き来する感じは少なくて、むしろ“ロトスコープ”という手法を使うことで、対象を突き放した乾いた描写になってるのは監督の意図なのだろうなあ。これはこれでありだと思いました。


予告編

スキャナー・ダークリー
http://wwws.warnerbros.co.jp/ascannerdarkly/


前にも書きましたが「暗闇のスキャナー」はディックの作品のなかで、私にとって最も印象深い作品です。ちなみに浅倉久志版は未読。そのうち読みたいなあ。

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

この本を読んだのがきっかけで、ディック自身についての本をいくつか読んだのですが、とても面白いです。ヘタをするとディックの「はずれ」小説より、数段面白いかもしれません。

フィリップ・K・ディック 我が生涯の弁明

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フィリップ・K・ディックのすべて―ノンフィクション集成

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