ドーピングから改造人間

アテネオリンピックで話題になったドーピングについてです。財団法人日本アンチ・ドーピング機構http://www.anti-doping.or.jp/index.htmlによると、ドーピングを禁止する理由は、大きく分けて以下の4つあるそうです。
(1) 選手自身の健康を害するため
(2) 不誠実(アンフェア)であるため
(3) 社会悪であるため
選手は社会的に模範となるような役割を期待されているという意味だそうです。
(4) スポーツ固有の価値を損ねるため
倫理観、フェアプレー、誠意、健康、優れた競技能力、人格と教育、喜びと楽しみ、チームワーク、献身と真摯な取組み、規則・法規への敬意、自他への敬意、勇敢さ、共同体・連帯意識がスポーツの価値としてあげられるそうです。
しかし、屁理屈をこねると・・・。
ドーピングとみなされないようなトレーニングでも健康を害することは多々あるわけです。長距離ランナーは骨粗しょう症になりやすいですし、不自然なウェイトコントロールを強いられる種目も多いですから・・・なので(1)はまあお題目みたいなものです。
(2)はともかくとして、あとの(3)(4)は社会の常識によって変化する類のもので、絶対的な価値ではないですよね。現にアメリカ合衆国の国技とも言えるMLBでは、多くのドーピングが公然と行われています。(これがオリンピックにメジャーリーガーが出られない理由のひとつ)逆に高橋尚子世界新記録を出した際に「蜂の分泌物を摂取するのはドーピングに当たる」というクレームがついたこともありました。(蜂の分泌物=明治乳業のスポーツ飲料VAAMのことhttp://www.vaam.jp/)検査や基準も毎年変わってゆくものです。アテネオリンピックでの日本メダルラッシュの要因のひとつにドーピング検査の強化をあげる意見があるほどです。
http://athens2004.nikkansports.com/column/goto_040821.html
つまりドーピングとそうでないものの分水嶺は常に動いているものだといえます。未来においては健康を害すことなく、社会的にも認められた「ドーピング」により飛躍的に運動能力が増している可能性もあるわけです。
などと空想していたのですが、それは遠い未来のことではなくて、北京オリンピックで実現されてしまうかもしれません。「遺伝子ドーピング」の技術によって・・・。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0409/doping.html
遺伝子ドーピング」は筋ジストロフィーなどの疾患に対する遺伝子治療の「悪用」で、筋力の増強や赤血球の増加が可能なようです。遺伝子情報を組み込んだ無毒化ウイルスを、ベクターとして選手に感染させて遺伝子操作を行う訳で、ここまで来るとドーピングの域を超えた人体改造です。

仮面ライダー 第1号 (OFFICIAL FILE MAGAZINE(オフィシャルファイル マガジン))

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この手法でバッタの遺伝子を組み込んだ、ジャンプとキックの得意な選手も出てくるかも知れません。