ナショナリズム―名著でたどる日本思想入門

ナショナリズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)

ナショナリズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)

浅羽通明著。ちくま新書。以前に読んだアナーキズムid:SIM:20040817)と同様ナショナリズムについて10冊の本を取り上げ、思想史を面白く概説しています。
著者自らが日東駒専(関西でいう関関同立みたいなもの?)がターゲットというだけあって、司馬遼太郎坂の上の雲」、小林よしのり戦争論」、かわぐちかいじ沈黙の艦隊」といった、お馴染みの作品を引き合いに出して解説しているので、現代思想に疎い私にも比較的わかりやすいです。流石に「海底軍艦」(id:SIM:20040617)まで出てきたのには少々ビックリしましたが(笑)
日本改造計画

日本改造計画

紹介されている「名著」のなかで、一番読んでみたいと思ったのが、小沢一郎の「日本改造計画」。この本で小沢一郎は日本の核武装と国連常設待機軍化という「沈黙の艦隊」の海江田艦長ばりの理想と戦略を語っているらしいのです。
http://ozawa-ichiro.jp/
実は小沢一郎という人物、以前から気になっている政治家のひとりです。金権、派閥、権謀術数といった旧来の保守政治家のイメージと、変革へ明確な意思をもつ理想主義者という二面性を持っっている人として語られることが多いですね。
私が笑ったのは、森喜朗首相(当時)の「神の国」発言騒動のとき「けしからん!切腹ものだ!」と言ったという話。この発言にその二面性が、集約されているような気がするのですが、それより何よりあまりに人間臭くてつい好感を持ってしまいました。


ネットで見かけた感想書評など。
見えない道場本舗 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040729
電氣アジール日録 http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20040511
読書日記@川崎追分町 http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/20040511#p2
灰色と桃色 http://d.hatena.ne.jp/kitou/20040519#p2
ヤスlog http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20040519#p1
関心空間マサヒトの空間 http://www.kanshin.com/index.php3?mode=keyword&id=546127
文学の遠吠え http://members.jcom.home.ne.jp/tana-masa/kansou/asanat.htm