「ブレードランナー」論序説

蓮實重彦編集の「季刊リュミエール」のリュミエール叢書なので、
エクリチュールのシュミラークルであるが故に、暗喩の対称性において脱構築が・・・」とか、簡単なことでも必要以上に難しい言い回しで書いてあったらいやだなあなんて、ちょっと警戒。

「ブレードランナー」論序説 (リュミエール叢書 34)

「ブレードランナー」論序説 (リュミエール叢書 34)

ところが読んでみると、これが案外面白かったのです。
まずは映画「ブレードランナー」を観ていて、私が違和感を持った部分がことごとく指摘されていて、うならされました。ディレクターズカットが必ずしも最良ではないという話も共感できたし、非常に説得力のある「読み」でした。
フィルム・ノワール」についてとか、私の知識が無い部分はあまりよくわからなかったけれども、まあ概ね問題なし。
ブレードランナーを繰り返し観ているような人(わたしもそうですが)ならば、何らかの意味を見出すことが出来る本だと思います。
あと以前に感想を書いた「メイキング・オブ・ブレードランナー」(id:SIM:20040501)を先に読んでいると面白さが倍増ですよ。
メイキング・オブ・ブレードランナー

メイキング・オブ・ブレードランナー