中庸、ときどきラディカル―新近代主義者宣言

小谷野敦著。読書日記@川崎追分町(id:kokada_jnet:20050626)で紹介されていたのを見て読みました。

中庸、ときどきラディカル―新近代主義者宣言

中庸、ときどきラディカル―新近代主義者宣言

jun-jun1965の日記(id:jun-jun1965)は時々覗いていたのですが、この著者の本を読むのは実は初めて。非常に細かいツッコミに最初は人文科学のナンシー関みたいな人なのか?と思ったりしたのですが、読み進むとそのツッコミが学問へ真摯な姿勢(高い職業意識というか)から来る鋭い指摘であるとわかります。読後はスッキリ感、そして何故か元気が出る感じがしました。


ナショナリストを自称し安易な戦後民主主義左翼を厳しく批判しつつ天皇制廃止論者である・・・という著者のスタンスは、賛同するしないは別として至極真っ当だと思いました。柄谷行人を共感を持って引き合いに出しているのも興味深かったです。


あと、カバーの図版に使われている絵が気になったので調べてみると画家・加藤泉の作品とのこと。はてなキーワードにも詳しい説明と画像やリンクがありますね。色と形が面白くインパクトがあって良いです。

ガレリアキマイラ 加藤泉トップ頁
http://www.d8.dion.ne.jp/~chimera/%89%C1%93%A1%90%F2/kato.html