赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

武居俊樹著。「武居記者」としても知られる名物編集者による回想録・・・ではあるのですが半ば小説のようでもあります。テンポのある巧みな文体で、赤塚不二夫と過ごした日々を面白く切なく描いています。

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚不二夫69歳の誕生日から話は始まります。この時点で赤塚不二夫はすでに2年以上昏睡状態で入院していて(もちろん今も・・・)そのベッドの傍らで著者は水割りを飲んでいるのです。病院で酒とはちと不謹慎?などと野暮なことを考えながら読み始めたのですが、全編読み終えるとこの行為の意味がジンワリと心に響く・・・という構成になっていて、最後には目頭が熱くなりました。


漫画における編集者の役割をはじめ、グループでの創作活動が(「赤塚不二夫」はある意味グループの名前なんです)どのように行われたかを知る資料としての価値も高いですね。好著です。