海から見た戦国日本―列島史から世界史へ

村井章介著。極東ブログの、ザビエルが見た四五〇年前の日本人というエントリをみて読みました。戦国期前後の日本を、東アジア史として捉えなおし、色々な視点から見る事で、当時の世界が立体的にダイナミックに見えてきます。興味深い本でした。

那覇を拠点に中継貿易で賑わう港市国家・琉球津軽松前から北へ広がる対露交易。そして明の世界秩序に挑戦し、朝鮮出兵を企てた豊臣秀吉…。日本史の一六世紀は、戦国の乱世から、織豊政権による全国統一を経て「徳川の平和」で幕を閉じる大変動期だった。では日本列島の外では、どのような事態が展開していたのだろうか。キリスト教や鉄砲の伝来、日本銀の交易ネットワークについてのエピソードを交えて、地域が世界に直接つながっていたボーダーレスな時代を描く。

歴史の編纂自体が「国」の影響を多大に受けるので、国を超えて歴史を俯瞰することは、なかなか難しい。アメーバのような、常に変えて動きつづける生き物のように、人は群れを成して活動してしているんですよね。私が知っている「日本」も、わずかに時間をさかのぼるだけで、随分違う形のものだったんだなあ。


あと、この本、図書館で借りて読んだ後に、細君の書棚にあることを発見・・・。