ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本

以前書いたオクラチョコの時(id:SIM:20050123)に知った本。読みました。

ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本

ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がニューオリンズで採集した家庭料理のレシピが大量に載っています。しかしこれが、いっちょ作ってみるか、と簡単にはいかない。何せ豪快なレシピが多いのです。
「牡蠣を一クォート(およそ1リットル)を」
「ザリガニは50匹程が適当」
「卵三〜四ダースを」
とまず量が豪快です。


さらには
「仔牛の頭をかなり柔らかくなるまでゆでる」
「亀のさばき方」
「若いリスかウサギ二〜三羽を」
など食材も幅も無茶苦茶広いのです。


この本は、晩御飯のためのレシピというよりは、ハーンの目を通してこの時代この土地の人々の暮らしに思いをはせる楽しさがある本です。現地のことわざや生活のひとコマを描いたイラスト(これもハーンが描いている!)も載っていて、とても面白いです。最後に訳者あとがきから引用しておきます。

こんな風に料理をし、食卓を囲んでいた人たちはいったいどんな生き方をしていたのだろう。何に幸せを感じ、何に悩み、どんな風に死んでいったのだろう。また異国人として、現地の人々の暮らしを執拗に観察し、細部をととらえることで生き生きとその生活を描きあげ、そしてまたはるか彼方の異国、日本に旅立っていったハーンの人生とはいったい何だったのだろう。