森喜朗前首相の名演

干からびたチーズの一件が芝居であったとの報道があったようですね。id:otokinokiさんのエントリを読んで知りました。

23日発売の週刊朝日で、首相官邸を訪れた森喜朗がすげなくされて怒って帰ったという姿が、小泉純一郎発案の芝居であったことが暴露される。


週刊朝日立ち読みしました。見出しは以下の通り。田原総一朗森喜朗へのインタビュー記事です。解散しないように説得に行ったものの小泉首相の決意が強固で不調に終わり「解散なんかできるわけない」と思っている造反議員に対してメッセージをどう送ろうか?ということで「演出」が決まったようです。

田原総一朗のギロン堂 スペシャ森喜朗前首相が明かす「干からびたチーズ会談」の真相 ビール缶握りつぶしたのは首相発案の芝居だった


私も「干からびたチーズ会談」はあまりにも漫画的だったので・・・だって、つぶしたビール缶と干からびたチーズをもってタクシーに乗り込むんですから。それもあの森前首相が・・・一種の政治的なパフォーマンスなんだろうとは思ったんですが、その意図はよくわかりませんでした。そこで色々エントリを読んでいて、なるほどと思う指摘だったのがコチラのエントリです。

自分の不機嫌とチーズと缶ビールの缶を使って、森さんは造反議員に「小泉には恐いものは何もない。解散は本気であって脅しじゃないから、否決するなら相応の覚悟をしておきなさい」という警告を発したのだと思います。そういう意図がなかったら、不機嫌もチーズも缶も隠したでしょう。 (中略) 森さんの「不機嫌」はそういう政治的言語として見ると、小泉さんのアシストだったのかもしれません。小泉さんが言っていることを、森さんが違う言い回しでもう一度言った。


もちろんこのエントリは週刊朝日の記事よりすいぶん前に書かれたもの。採決のすぐ後くらいでしょうか。なるほど腹芸といっては言葉が悪いですが、ハッキリ言うと差支えが出ることを伝えるための高度なコミュニケーション手法というわけですね。
このエントリの中に紹介されていたのですが、さらに以前、なんと採決前に「干からびたチーズ会談」を解読されている方もいました。

経験を積んだベテランならではの名演技を見せてもらった。 いや、「演技」と言い切ってしまっていいものかどうか迷う。 彼自身の心情とさまざまな計算が渾然一体となり実に玄妙。