リンダ リンダ リンダ

山下敦弘監督。
平日のレイトショーで鑑賞。大阪では今週で上映期間が終わりなんですが3分の1くらい客席は埋まってました。客層は20から30代くらいのカップルが中心、あとオッサンがちらほら・・・もちろん私もその中のひとり。


リンダリンダリンダ」OFFCIAL WEBSITE
http://www.linda3.com/


感想ですが・・・これは傑作です!笑って泣いて・・・ちょっと切なく清々しい気持ちになれる・・・素晴らしい映画でした。先日同じバンドが題材の映画「NANA」も観たのですが(id:SIM:20050904)映画的には「リンダリンダリンダ」の出来が数段上ですね。ガイドブックも見たいしサントラも聴いてみたいなあ。

リンダ リンダ リンダ オフィシャルブック

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we are PARANMAUM

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まず、とにかく女子高生バンドのメンバーがみんなとても可愛らしくていい感じなんです。
勝気なギター担当の香椎由宇(立花恵役)はローレライの100倍役がハマっているし、韓国からの留学生ボーカル担当ペ・ドゥナ(ソン役)のおかしくもちょっと切ない存在感は胸に迫るし、いつも笑顔のちょっとオバサンっぽいドラムス担当前田亜季(山田響子役)はクラスに2人くらいいそうな感じだし、とぼけたキャラのベース担当関根史織(白河望役、プロのベーシストなんですねこの方)は見ていて幸せな気持ちになれるし・・・。この人物造型とメンバーが醸し出す場の空気感で完全に引き込まれてしまいましたね。


それから学校のディティール描写がすごいです。2004年が舞台ですが、校舎は窓枠がアルミサッシでなくスチールで出来ているような古い校舎。ライブシーンで出てくる体育館も「講堂」と呼ぶのがふさわしいような建物です。青春映画としては絶好のロケ地、ノスタルジーを喚起せずにはいられないこの場所を丹念に描写しています。一見なんでもないインサートカットなどが積み重ねられていって映画の中の説得力を高めていくのです。
中でも個人的に好きなのは屋上のシーン。はるか昔、中学高校時代の光景がフラッシュバックしてグッときました。


あと細かいところまで計算された構成、演出にはホントに感心というか感服しました。山下敦弘監督の作品を観るのは初めてだったので、過去作も機会があれば観てみたいと思いました。もちろん新作も。