南極日誌
ソン・ガンホ主演、ロード・オブ・ザ・リングのスタッフも参加したニュージーランドロケ、攻殻機動隊の川井憲次が音楽を担当、というグローバルな超大作。タイトルだけ見るとドキュメンタリー風のタイトル何ですが、実はホラー映画・・・というところまでは鑑賞する前に聞いてました。
しかし・・・まさか、これほどまでの珍作とは思いませんでしたね。
南極日誌
http://www.nankyoku-movie.com/
南極到達不能点を目指して、6人の探検隊員が歩みを進めている。そこは地球最低気温マイナス80度を記録しブリザードが吹き荒れる、地球上で最も過酷な自然条件を持つ、南極でも足を踏み入れる事が最も困難な場所である。ある日彼らは80年前に遭難したイギリス探険隊の日誌を発見するが、やがてその日誌に導かれるように不思議な出来事が起こり始め、遂に犠牲者が出る。隊員達は進退をめぐって意見をたたかわせるが、隊長(ソン・ガンホ)が強引に目的地を目指す事を主張する。そしてそれぞれの胸にわだかまりを残し、疑心暗鬼のまま進んで行くが・・・。
通常「わけがわからない映画」が出来てしまうとき、作家が意図して難解作品を作った場合と、作家が意図に反して失敗作を作ったしまった場合、だいたいこの2パターンに分けられると思います。ところがこの映画はどちらであるかさえわからないんですよねえ。
まず謎の惨劇が起こり、お話が進むと謎が徐々に明らかになっていく・・・というホラー映画のお約束がありますよね。で、ちょっと捻りのきいた構成をしようとしたとき、よく世界観のミスリードをやりますよね・・・心理ホラーなオチなのかと思ったらオカルトだったとか、オカルトだと思っていたらSFだったとか、そんな感じの。
ところがこの映画、オカルト、SF、心理ホラーと「ミスリード」をやるだけやってほったらかしにするという、トンデモないことをやっているのです。なので、観客は何のジャンルの映画だったのかわからず「ポカーン」としたままエンドロールを見ることになります。
演技や演出、撮影、編集の出来が水準以上の素晴らしさなので、意図せずこうなったわけではないのでしょうが、何を意図したかはサッパリわかららない・・・ある意味監督が恐い映画かも。