サマータイムマシン・ブルース

踊る大捜査線シリーズの本広克行監督&プロデュース作品。ROBOT制作。ヨーロッパ企画の舞台の映画化。テンポが良くて思いっきり笑える良作青春映画。かなり楽しめました。


サマータイムマシンブルース オフィシャルサイト|
http://stmb.playxmovie.com/

マジに暑すぎる夏、とある大学の「SF研究会」部室。SF研究などせずぐったりと夏休みを過ごす5人の男子学生と、2人の女性写真部員。前日にクーラーのリモコンが壊れて猛暑に悩まされるなか、ふと見ると部屋の隅に突然タイムマシンが!!!! 「ためしに昨日に帰って壊れる前のリモコン取ってこよう」と軽い気持ちで乗ってみたら、さぁ大変。想像もつかないような事態が次々と巻き起こって…!?

本広監督の力量を再認識。良い脚本を得て本領発揮というところでしょうか。タイムマシンが題材ということで劇中さばかなければいけない情報がいっぱいあるんですが、それをテンポよく観客に飽きさせないようにさばいていく演出が見事。出てくるキャラクター、役者を活き活きとみせることに成功しています。


主演の瑛太がさりげなくうまいし(映画版電車男のひきこもり男だっけ?)「SF研究会」の面々のふざけた男たち(与座嘉秋川岡大次郎ムロツヨシ永野宗典)は実に暑苦しくてよいです。未来人田村役の本多力はちょっと不思議な存在感。特筆すべきは上野樹里の可愛さでもうこれは絶好調です。メガネの真木よう子ももちろんキレイ。あと、踊るシリーズのスタートレック男、三上市朗ネクストジェネレーションのコスプレ(半ズボンだけど)で登場するコネタもありました。


本広監督が1965年生まれ(私、同い年です)ということもあってか「SF研究会」の雰囲気が何となく1980年代的に感じて懐かしい。いや、今の学生もこんな感じなのかも知れませんが。脚本の上田誠ヨーロッパ企画)はまだ25歳だというしなあ。
まあ言いたいことは40歳のオッサンでも、すんなり学生時代を思い出して作品世界に入り込むことが出来るということ。公式サイトで上田誠について「クドカンが永遠の中学生なら、上田クンは永遠の大学生(しかも理系)」と書いてあったが、ホントこの映画の雰囲気もそんな感じですね。


現代的だなと思わせるのは25年後の2030年から来た未来人田村が街を見て「あんまりかわってないんですよお。」というところ。1960〜1980年代では25年もあれば町の景色は一変してしまう・・・というのが常識だったんですよね。実際この時期は都会でも田舎でも、古い建物が壊されビルが建ち道路が出来て風景はどんどん変わっていきました。が・・・1990年代以降、低成長期を迎えたこの国では「名画座がつぶれてコンビニになる」程度の変化しかおきなかった・・・この後もだいたいこんなもんだろう・・・そういう低成長時代の認識が反映されているのでしょう。部室とかクーラーも25年後まで使ってるし(笑)